『Imaya北欧便り』 #12デンマークのクリスマス

2025/1/23 12:00:00

お久しぶりです!今回、私は冬の買い付けの旅で、12月からデンマーク・コペンハーゲンに来ています。午後3時半頃になると既に日が落ち始めるこの暗い季節、人々が心の拠り所にしているのが、クリスマス!



クリスマス(デンマーク語で「Jul:ユル」)は一年の中で最も重要な行事の一つです。家族や友人と過ごす温かな時間を大切にし、伝統を守りながら楽しむこの季節は、デンマーク独特の文化「ヒュッゲ(Hygge)」を感じる絶好の機会です。1月ですが(笑)、デンマークの素敵なクリスマスの特徴や習慣、そしてその魅力を紹介しますね!


その① アドベントの始まり

クリスマスの準備は11月下旬から始まります。アドベントカレンダーやアドベントキャンドルがデンマークの家庭を彩り、4週間にわたるクリスマスへのカウントダウンがスタートします。特に、アドベントキャンドルは毎週日曜日に1本ずつ火を灯すもので、家族で集まり静かに時間を共有する重要な瞬間です。



その②クリスマスツリー露店

クリスマスと言えばクリスマスツリー。コペンハーゲンの街中では、11月下旬から広場や街角にクリスマスツリー露店が開かれます。大人が数人手を繋いで囲める大きなものから、膝下くらいの小さなものまで。家族で立ち寄り、今年のツリーをじっくり選びます。


その③ 毎週パーティー

本番は12月24日のクリスマスイブですが、それまでにも毎週、いや毎日のように、「ユルフローコスト(julefrokost =クリスマスランチ)と呼ばれる大小のクリスマスパーティーが友人や家族、同僚の間で行われます。その時、欠かせないのがÆbleskiver(エーブルスキーワー)というデンマークの伝統的なお菓子で、丸い形をしたパンケーキのようなもの。


柔らかい生地を特別な球形のフライパンで焼き上げ、ふわふわに仕上げます。食べるときは、粉砂糖やジャムを添えて楽しむのが一般的で、特にクリスマスの季節にホットワイン(Gløgg)と一緒に提供されることが多いです。見た目もかわいらしく、家族や友人とシェアしながら楽しむデンマークの定番スイーツで、私も12月は毎週、いや毎日のように食べていました。




その④ジンジャーハウスクッキー

今回のクリスマスで初めて体験したのが、ジンジャーハウスクッキーづくりでした。スパイスの効いたクッキー生地の家を、たくさんのキャンディやチョコレートでデコレーションするお菓子の家です。デンマークでは「ペバーケーエフス(Peberkagehus)」とも呼ばれ、子どもから大人まで家族で作る楽しいアクティビティとして人気です。


ジンジャーハウスクッキーは単なる食べ物としてだけでなく、家の中を彩るクリスマスの装飾品としても楽しまれます。作った家は、クリスマスから年末にかけて少しずつ家族の誰かが味見をし、次第になくなっていきます。


その⑤クリスマスイブの過ごし方

待ちに待ったクリスマスイブ。普段はあまり教会に通わないデンマークの人々も、この日は午前中に家族で教会に行き、歌やお話を聞きます。それから夕食の準備をします。


クリスマス夕食の定番は、ローストポークやアヒル、赤キャベツの煮物、カラメルをまぶしたジャガイモです。







デザートには「リースアラマンデ(Risalamande)」と呼ばれる、甘い冷たいお粥のような感じのライスプディングが並びます。リースアラマンデには1粒だけ隠されたアーモンドが入っていて、それを見つけた人には特別なプレゼントが贈られます。この時は、チョコ―レートが贈られたました。


夕食の後には、家族全員でクリスマスツリーの周りを手をつないで歌いながら踊るのが伝統的なスタイル。


そして、最後に子どもたちが楽しみにしているプレゼントの時間がやってきます。今回、私が参加した友人宅でのパーティーでは、ツリーの下に並ぶ何十個もあるプレゼントを、一つ一つ開けるのを見守るというスタイルだったので、全部開け終わった頃にはなんと、夜中の2時頃になっていました。



そんな、伝統と温もりが詰まったデンマークのクリスマス。その雰囲気や習慣は、他国のクリスマスと少し違いながらも、「大切な人と過ごす喜び」を感じさせてくれます。ちなみに、デンマークのニューイヤーは花火をあげて、ドンチャン騒ぎします(笑)。もし、デンマークを訪れる機会があれば、この特別な季節にぜひ現地の文化を体験してみてくださいね!  >>#11ゆるりと風に。ここは北欧



【バックナンバー】

#11ゆるりと風に。ここは北欧

#10ジブリの世界!?コットランド島へ

#9デンマークの至宝『フローラダニカ』

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#7LagomにFikaしよう!

#6「北欧モダンの父」が作った森の墓地

#5ショートステイ先の決め手

#4お宝探しが運ぶ出逢い

#3北欧の人たちが待ち望む日

#2Imayaのはじまり

#1自己紹介


【プロフィール】


鍋島 綾(富山県生まれ)

大学でデンマーク語と北欧社会福祉を専攻。

会社員勤めの後、アンティークバイヤーとして

2016年から北欧と日本の間を行き来している。

・Instagram:https://www.instagram.com/imaya.vintage/

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・オンラインショップ:https://imaya-antique.com/


企画・編集/永井千晶