『Imaya北欧便り』#4お宝探しが運ぶ出逢い

2023/8/09 12:00:00

こんにちは!アンティークバイヤーの鍋島綾です。

北欧では、7月に入ると長い夏休みが始まり、海外や、国内の別荘で羽を伸ばします。私も滞在中のスウェーデン・マルメから電車で4時間半ほどのところにある、ストックホルムまで遠出して、友人と会ったりアンティークを探しに行ったりしています。



友人が車で連れて行ってくれたのが、ストックホルム郊外にある、大きな一軒家のアンティークハウス。そこは、週末だけ開かれるショップで、その昔、納屋だったという大きな建物いっぱいに、古いものがあふれていました。




一棟まるごとアンティークだなんて、お宝探しに胸が高鳴ります。タイムスリップしたかのような空間、緑に囲まれたゆったりとした雰囲気も、そこにいるだけで幸せな気持ちになりました。


アパートのあるマルメに帰ってきてからは、歩いて数分の場所にあるアンティークショップへ、よくのぞきに行っています。いつも外でお茶を飲みながら、通りすがりの人とおしゃべりしている優しいおじさんが、お店の店主。


店内に入ると、たくさんのものが雑多に置かれているので、ちょっと触ると崩れてきそうでハラハラ。でもこの乱雑さとゆるさが北欧、そしてアンティーク探しの醍醐味なんです!




お宝探しでは、店主やお店の雰囲気、そして何より、その時の自分の気持ちに正直になることを大切にしています。もちろん、ブランドや値段も大事なのですけどね。このお店でも、素敵なものをたくさん見つけました。





また別の日、マルメのセカンドハンドのお店で宝探しをしていた時、こんなことがありました。古くていい感じのプレートを見つけて満足していたところ、「あ、これもいいな!」と今度はカップに目が移り…。カップを見るために、先のプレートを横の棚に置きました。カップをじっくり検討しつつ、ふと横を見ると、女性が、先ほど置いたプレートを手に取って、じっくり悩んでいるではないですか!しまった!


「すみません、それ私が買おうと思っていて、そこに置いたんです!」


と、とっさに言いました。嫌な顔されるかなと思いきや、


「あらごめんなさいね!あなたいいセンスしてるわね」と、にっこり。


スウェーデン人のこの女性は、とにかく、うんと古いものが好きで、よくアンティークショップなどを見て回っているそうです。そのあと私たちは、30分以上もその場で、アンティークや仕事のこと、スウェーデン、日本の話に花を咲かせたのでした。しかも、立ち話で。連絡先も交換して、今度は自転車でいろいろ連れて行ってくれるそうで、楽しみです。


こんなふうに、宝探しは、素敵なアンティークに出逢うだけでなく、アンティークが素敵な出逢いをもたらしてくれる、なんてことがよくあります。とはいえ。まだまだ、買付けが、目標の3割程度しかできていない…。そろそろ買付け旅の後半戦、がんばらないとっ!


>>前回のお話


【プロフィール】

鍋島 綾(富山県生まれ)

大学でデンマーク語と北欧社会福祉を専攻。

会社員勤めの後、アンティークバイヤーとして

2016年から北欧と日本の間を行き来している。


・Instagram:https://www.instagram.com/imaya.vintage/

・YouTube:https://www.youtube.com/@imayatravel/featured

・オンラインショップ:https://imaya-antique.com/

企画・編集/永井千晶