これまでの買い付け旅行では、デンマークが主流だったのですが、今回の滞在は、コペンハーゲンから橋を渡ってすぐの所にある、スウェーデンのマルメ市という街に決めました。理由はいろいろあるのですが、
①デンマークより物価が安いこと
②空港から近く、コペンハーゲンやストックホルムなど、他の街へのアクセスが良いこと
③スウェーデンについてもう少し知りたかった
ということ。
マルメで短期間ステイできる物件をネットで探していた時、決め手となった一つの条件がありました。それが、「図書館に近い」ということです。北欧の公共図書館は、サービスや設備、デザインの面でも居心地の良さが評価されていて、そこで買い付けの合間にゆっくり時間を過ごしてみたいと思いました。
そんな、今回のマルメの滞在で、いちばんのお気に入りスポットとなったマルメ市図書館をご紹介します。
外観はこんな感じで、まるでお城のよう!
この建物は1901年に建てられ、以前は博物館として使用されていたそうです。マルメ市図書館は、このお城のような古い建物と、ガラス張りの近代的な建物と連結しています。
中に入ってみると、新館の方は吹き抜けになっていて、光がたくさん差し込むようガラス張りになっています。目の前に大きな公園があるので、四季折々の自然を眺めながら、読書や勉強に励むことができます。
北欧は市民の図書館利用率が高いことで有名です。空間の居心地の良さ、本や資料の充実だけでなく、情報へのアクセス、コミュニティの中心地として市民にとって欠かせない場所になっています。この景色を見ながら仕事や執筆、読書をすると、なんともはかどる気がするのです。
こんな素敵な施設に恵まれて、きっと子どもたちをはじめとする市民は賢く優秀になるだろうなー、なんて思います。税金がとても高いことでも有名ですが、こんなふうに市民に還元されるのであれば、みんな納得してこの街に住み続けるだろうな。私もすっかりマルメが大好きになりました♡
そうそう、この図書館の様子は6月に撮ったものなのですが。ちょうど、この日、図書館の外では、まるでカーニバルさながらの賑わい。
実は、北欧の6月は卒業式シーズンにあたり、高校の卒業生たちが、トラックの荷台に立ち音楽を流しながら町をパレードしていたんです。沿道を行く人も手を振って、お祝いをしていましたよ。
垂れ幕には、クラスやクラスメイトの名前が
卒業生は、おそろいの水平さんのような帽子を被るのですが、この内側に、みんなからメッセージを寄せ書きのように書いてもらうのだそうです。
このあと、卒業生たちは夏休みに入り、その後、大学生になる人や、1~2年のギャップイヤーという期間を設けて旅をしたり、アルバイトやインターンをして、それぞれ自分の道を決めていきます。日本とは、また違った自由さを垣間見たのでした。
【プロフィール】
鍋島 綾(富山県生まれ)
大学でデンマーク語と北欧社会福祉を専攻。
会社員勤めの後、アンティークバイヤーとして
2016年から北欧と日本の間を行き来している。
・Instagram:https://www.instagram.com/imaya.vintage/
・YouTube:https://www.youtube.com/@imayatravel/featured
・オンラインショップ:https://imaya-antique.com/
企画・編集/永井千晶