税理士先生の「ちょっこ聞かんまいけ」連載第19回

2026/5/11 12:00:00

隔月で”税のハナシ”を担当しております、長谷です。


生命保険や生命共済が相続税の節税にどんな効果があるのか、質問をいただくことがあります。


今回は生命保険が本当に相続税の節税に役立つのか、設例に当てはめて考えてみたいと思います。


● 前提条件

・ 家族構成

夫、妻、長男、長女の4人家族

・ 夫の財産(遺産の合計額は1億円)

不動産 5,000万円

預 金 3,000万円

株 式 2,000万円

・ 相続税の基礎控除額

4,800万円(3,000万円+600万円×3人)

・ 課税総遺産額

5,200万円(遺産額1億円-基礎控除4,800万円)


● 二つのケースで比較

★ケース1:上記の前提条件で夫が亡くなった場合

相続税は315万円


★ケース2:生命保険に加入して夫が亡くなった場合

→上記の預金3,000万円の内1,500万円を、生前に夫が払い戻し一時払いの生命保険に加入して、相続人が死亡保険金1,500万円を受け取った場合の相続税は206万円


(注)相続税額の計算過程の説明は省略しています。いずれのケースも法定相続分に従って相続し、配偶者の税額軽減の適用を受けるものとして計算しています。


● ケース1とケース2の違いについて

・預金の額

→ 3,000万円から1,500万円に減少

・受け取った生命保険金

→ 1,500万円は非課税(限度額500万円×3名)

・課税総遺産額

→ 5,200万円から3,700万円に減少

・相続税の納税額

→ 315万円から206万円に減少


ケース1とケース2では、納税額に109万円の差が出ました。


ケース2では掛金と受け取った生命保険金を同額の1,500万円としましたが、実際には掛金と保険金には差額が生じます。


また、遺産の規模や家族構成などによって節税の効果は異なりますが、預金などの財産を生命保険に入れ替えることで相続税の節税ができる仕組みは理解いただけたのではないでしょうか。


財産の額が基礎控除額を超えそうな方で、生命保険や生命共済に加入していない方にとっては考えてみる価値があると思われます。



長谷税理士事務所

税理士 長谷(ながや)治男

(以上の情報は、2026年5月現在のものです。)