2023年12月1日(金)、WEB版ページを公開しました。

『Junちゃんの元気ごはん』#7 100年の歴史!高岡産チューリップ

2024/1/24 12:00:00

実は、Junちゃん。キッチンを始める前から、取り組んでいるプロジェクトがある。それは、高岡産チューリップの認知度アップ大作戦!


やっぱり青果物だけじゃなくて、付加価値のある花卉もってことでチューリップを作ってるの?


「違うよー。高岡のチューリップ生産は、100年近い歴史があって。この土地の銘品です!」


知らないってのは、恥ずかしいことで…。


高岡では、春夏秋に球根を、冬に切り花栽培をしていて、特徴はなんと言っても品種の多さにある。週ごとに入れ替わりながらも、最盛期には175品種程の切り花があったそう。しかも珍しい品種ばかりを揃えているというのだ。


そして、もう一つの特徴は品質の良さ。収穫時に、ひと手間かけて処理を施しているので、花持ちの良さが格段に違うらしい。多彩なチューリップを長く楽しめるって、確かにうれしいかも。



こちらは、クラウン咲の『クラウンオブダイナスティ』。




こちらは、パーロット咲の『ディージェーパーロット』と『ピンクビジョン』。パーロットとは、開くとオウムのくるりんとした羽根のように、フリフリの切れ込みが入った花びらをいう。


一重咲や八重咲は、耳にしたことがあるけど、あまり店頭では見かけない色味が揃うところも、ファンのハートをギュッとつかんでいる。こちらの一重咲は『デルタストーム』。



赤・白・ショッキングピンクのバランスが美しい『ファーストプライス』。


赤ピンクがラブリーな『フラッシュポイント』。


そして気品高い薄紫の『ダブルプライス』。


八重咲だけでも、こんなにも色味が違う。


〝高岡のチューリップなのに、ぜんぜん富山県で買えないなんて…。もっと県内の人に知って欲しい!”


そんな生産者の声を受けて、Junちゃんは立ち上がった。PRのために雑貨屋さんで少しづつ高岡産チューリップを売り出したのは、まだ、キッチンを始める前のこと。


「とにかく、チューリップが大好き。私、農家の嫁にならなかったら、今頃、宮崎でお花屋さんやってた。お店出す場所まで決めてたし(笑)」


ん?どういうこと??


「叔父、叔母、親戚、みーんなお花屋さんで。私は中学の時からお手伝いしてて、お花の専門学校を出てるの」


これは、初耳。だからか!生花の扱い、用途に合わせた組み合わせ方やラッピングに至るまで、基本を心得ているのだ。適任じゃないか!!



そんな折に、東日本大震災が発生。催事などが取りやめになったことから、チューリップを始めとする贈答用のお花は、市場に出しても破棄されることになってしまった。処分されてしまうのは…と、富山市の『地場もん屋』に掛け合い、チャリティー販売を提案。3日間で2万本を売った。キッチンで、ワンシーズンに7~8,000本売れることを考えると、これは驚異的な数字。


何より、高岡産のチューリップを売るのに、富山市の『地場もん屋』を選んだという発想が面白い。


「だって、マーケットが違うからね~」


そこからです。この取り組みを知った、お隣、石川県金沢市にある『乗越』から声がかかり、以来13年間、年に一度、オール高岡産チューリップを売るお祭を開いている(今年は1月26日(金)に開催)。近年では、新潟県から生産者が視察に訪れるほどの規模になっているのだ。




今年も約2,000本の切り花と500本の球根付きチューリップを『乗越』に持っていくよ!


「毎年、推しのチューリップがあるみたいなんだけど。今年は、明るい元気カラーが揃っているねー。去年は、紫やピンクといった清楚な感じが多かった」


Junちゃんの狙いはこうだ。


チューリップ祭りに訪れたお客さんが、後日、「ピンクビジョンっていうチューリップないですか?」ってお花屋さんに問い合わせる

それを知らないお花屋さんが探し出す

市場や仲買いの人も探し出す

高岡産チューリップに辿り着く

引き合いにつながる


これを願って、13年も続けているって、本当に脱帽だ。


「あ、これ持っていってー。今年は初めて『谷中』の方が『乗越』にチューリップ祭りを見に来るの」



『花・谷中』とは、知る人ぞ知る京都の老舗お花屋さん。『花・谷中』で高岡のチューリップを売るイベントをするようになってから、もう5年程経つそうだ。


高岡産チューリップの認知度アップ大作戦は、京都にまで広がりを見せていた。正に継続は力なり、だね。


【Junちゃん's ポイント】
高岡産チューリップは、茎も太くて、花持ちがいいのはもちろんのこと、飾っている途中からも花首が伸びてきて、買った時から1/4ほど丈が伸びるよ。明るい方へ花が伸びていく様子を見るのも、チューリップならではの楽しみ方♪


=つづく=


・乗越

Web https://norigoe.jp/

・花・谷中

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文/野菜ソムリエ 永井千晶